Reonel

コミット ~こころの設定ONしてますか?~

少し前、転職をするかしないか悩んでいる知人がいました。

彼はもともと職務内容に興味があるわけではなくその仕事に就き、
それでもそれなりに仕事をこなし数年間を過ごしたようです。

最初から数年と考えていた仕事だったようですが、
その間、条件的にも状況的にも「問題」と感じることも多かったようです。

あるタイミングで改めてその仕事に対して将来の先行きに不安を感じているさなか、
知人から新しい仕事を紹介されたとのこと。

その話を聞きながら、わたしは昔の自分を思い出しました。

以前
「ずっとは続けない。だってそこは特にわたしの居場所ではないから。だけど、1年間は続けよう。」
と思って就いた仕事がありました。

「わたしの居場所ではない」としたのは、別にしたいことがあったから。
そして「1年」と考えていたのは、その期間にその仕事について学びたいことがあったから。

そんな思惑があって就いた仕事でした。

そんな思いで始めたお仕事、職務内容はとても楽しく感じていました。
ところが、数か月経つと仕事帰りの自分の足取りが重く、会社に対する不満が頭をぐるぐるするようになり、
気づくと仕事に向かう前日の夜がとてもしんどく感じるようになっていました。
そして、6カ月も経たないうちに「辞めたいな」と思うようになっている自分。

「辞めようか、いや、でも自分で決めた1年間。」とか、「明日は伝えようかな。」とか、
自分の中で辞める辞めないの考えがぐるぐるし、今思えばその思考がさらに疲れさせていたように思います。

それでも、「1年経つ前に辞めたら自分に負ける」そんな漠然とした自分に対する負けん気で、
不満だらけの心と共に仕事を続けていました。

そしてようやく1年が経ったとき・・・
なんと思ったことは「今のままでは辞められない…」でした。

気づいてみたら、いつの日か会社に不満を持っている状態が自分にとって通常化され、
「辞めたい」と思いながらも続けられるようになっていたのです。

何より辞められないと感じた理由は、1年経ったタイミングで振り返ってみたら
その仕事を始めようと思った時の予想に反して1年を不満と共にただただ何気なく過ごしてしまい、
気づけば、あまり変わっていない自分だったのです。

それからだいぶ暫く経ったある日、仕事に向かう電車の中でのことです。
車窓から外を眺めながらいつものように仕事のことを考えながら、
「なんで・・・」
と思った瞬間、ハッとしました。

いつも頭の中を巡っている「問題」に対する思い、
それは職場をもっと良い状態にしたいと思って、「なんで・・・」と感じていました。

でも、そうであることに対して自分の頭の中にあることと比べて「なんで・・・」というのは、
まずその状態を認めていない。
認めていないということは、そこからの改善方法は見つけることはできないのです。

もし本当にわたしが真剣に目の前の出来事と出会えていたら、そしてその状態をなんとかしてゆきたいと思ったら、
「なんで」という言葉はでなくて「どうしたら」のような言葉が頭を巡っていた気がしたのです。

その瞬間、コミットしていない自分に気づきました。

自分の居場所は別にある。
そんなふうな想いで目の前のことに真剣に向かうことはできないのです。

人は目の前のものを見るとき正面から見たとしても、
自分の経験で、物の見方で捉え、ありのまま、それそのものを捉えることはできません。

それなのに、横を向いた状態でそれを見ようとしていたらどうでしょう。
全体像は捉えられないし、自分が横を向いてしまったからなのに、見えないことに不満も生まれてくるかもしれません。
気づけることはさらに少なくなってしまいます。

本当にそこから何かを得ようとするなら、
何かが自分に備わってゆく、養われてゆく、蓄積してゆく時にするためには
目の前のこととしっかりと出会ってゆくことでしか何も得られないのです。

そして、「自分の居場所はここではない」のような心の設定をしている時点で、
仕事場だけでなく、どこにいてもどの場面でも本気で生きることなんてできないのです。

なぜかわたしの中ではON・OFFのような使い分けが出来ると大きな勘違いがありました。

でも、生きる姿勢に使い分けなんてないんです。
本当に。

いろいろと、とっても傲慢でした・・・(–;

自分の思いがどうであろうと、今関われるのは目の前の現実。
ましてや自分で選択したこと。
コミットするしかなかったんですよね。

気づいてみると見える景色が変わってきます。

特に職場の環境が変わったわけではないけれど、
自分の受け取り方が変わり、それによりかどうかは不明ですが、
環境に少しずつ、そして結果大きく変化してゆきました。

職務の内容も興味のあるものから、極めてゆきたいものへと変化していったのです。
携わる前に見えていたカタチの奥にあるものに少し触れた気がしました。

もし、あなたが大切な選択をしようとする場面になったとき、
自分の生き方を考える場面になったとき、
一度自分のスペースに身を置いて観てみてください。

こころの設定、「コミット」に入っていますか?

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